金のフレーズシリーズの「金の熟語」ってどうなの?
結論、かなりおすすめ。ただしTOEIC500点以上の学習者が使うべき。効果的なやり方をふくめて詳しく解説するね!
TOEIC単語帳としてなじみの深い「〇〇フレーズ」シリーズの熟語帳「金の熟語」は、下記の点を中心に非常に優れています。
・TOEICフレンドリーな設計で覚えやすい
・音声やアプリでより効果的な学習ができる
しかし、そうはいっても使い方がよく分からないという声をよく聞きます。
そこでこの記事では、金の熟語の効果的な使い方を詳しく解説していきます。
無料で音声をきく方法やアプリの具体的な使い方もすべて解説しており、この記事のとおりに学習すれば最短で金の熟語をマスターできるようにしました。
金の熟語をおすすめする理由と注意点
効果的な学習方法を解説する前に、『なぜ私が金の熟語をおすすめするのか』を詳しくお話しします。
そういうのはいらないから…
と思った方、要注意。
なにかを始めるときに「なぜやるのか」という理由を知るのと知らないのでは、モチベーションに大きく差がでます。
3日坊主にならないためにも、金の熟語がTOEIC学習に最適な理由を確認しましょう。
理由は以下の3つ。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
TOEICテストに頻出の熟語を完全網羅
「金のフレーズ」シリーズ著者のTEX加藤氏はTOEIC界隈の重鎮ともいえる方で、著書はどれも素晴らしいものばかり。
金の熟語は掲載熟語が430語と少なく、物足りない印象を受ける人もなかにはいるかもしれません。
しかし、TOEICテストに出てくる熟語のみを厳選し掲載しています。
本書には、10年間・延べ100回以上の受験経験から、「TOEICに出る」と私が判断した熟語や会話表現だけを掲載しました。
金の熟語 冒頭より
だからこそ、430熟語で足りるという判断をしているわけです。
具体的には以下のデータベースから厳選しています。
・TOEICの製作元であるETSが発売した日韓の公式教材
・TOEIC受験後に毎回更新している「TEXファイル」
・市販の市販のTOEIC対策熟語集
・ビジネスシーンの会話が掲載された市販の英会話本
・大学受験用の主要な熟語集やイディオムが掲載された問題集
熟語は公式教材の頻度順に並んでいるので、本番直前の復習や対策をするときにも最初ノーページから順番に学習していけば良いつくりになっています。
学習者を徹底的に考え抜いた細かな配慮といえるでしょう。
TOEIC本番に出やすいコロケーションを掲載
熟語を覚えているときにありがちなのが、「impose X on Y の訳ってXにYを課すだっけ?YにXを課すだっけ?」という訳し方を忘れるというもの。
訳し方を忘れると選択肢を間違えたり焦って普段は溶ける問題も解けなかったりします。
この「熟語の意味忘れ」を解決するのが【コロケーション】。
コロケーション
:よく一緒に使われる単語の組み合わせ
コロケーションで覚えたほうが、熟語の意味をド忘れする可能性が極端に減り、かつTOEICテスト対策にもなります。一石二鳥。
金の熟語では左から「単語→コロケーション(フレーズ)→単語とコロケーションの意味」という順番に並んでいるためコロケーションを覚えやすい導線になっているのが特徴です。
コロケーション(フレーズ)は10語以下と非常に覚えやすく、かつTOEICに精通したネイティヴが協力して作成しているという徹底ぶり。
まさに学習者ファーストの一冊といえます。
付録ページもTOEICに必須の知識を網羅
「金のフレーズ」シリーズはどれも【supplement】というTOEICテストに役立つ知識が書いてあるページがあります。
金の熟語に掲載されている【supplement】がかなり豪華。
・TOEICに出る会話表現
・TOEICに出る「動詞+前置詞」
・TOEICに出るコロケーション
・TOEICに出る群前置詞・群接続詞
たとえば「TOEICに出る会話表現」はこんな感じ。
TOEIC頻出の熟語で、かつ文章も本番さながらです。
また【supplement】の他にも【イラストで覚えるパート1単語】や【TOEICに出る定型表現・連語】のページもあります。
ざっと見ただけでも、付録だけでこんなに充実しています。
【注意】TOEIC初心者には向かない→まずは銀フレを
ひとつだけ注意点があります。
そう、金の熟語は学習者のレベルを選びます。
金の熟語の想定学習者レベルはTOEIC500点以上。
もしあなたが
TOEICを受けたことがないから自分のレベルがわからない
前にTOEICを受けたのは半年以上前…
であれば、下のリンクから基本単語200をチェックしましょう。
【無料】TOEIC 基本単語200のファイルはこちら(PDF)>>
半分以上わからない場合、熟語を覚えるのではなく「銀フレ」から学習することをおすすめします。
金の熟語の効果的な使い方をステップごとに詳しく解説
金の熟語がTOEICの熟語学習に最適な理由がわかりました。
つぎは、効果的な金の熟語の使い方を具体的に解説していきます。
金の熟語に限らずですが、熟語を覚えるときのポイントは以下の3つ。
・高い回転率を意識する
・熟語のイメージをつかむ
・フレーズ(コロケーション)を発音する
この3つは全て『なんとなくそうした方が良さそうだから』というわけではなく、科学的な根拠に基づいた絶対に守ってほしいポイントです。
ではポイントをふまえた上で、具体的なやり方を解説していきます。
STEP1:1週間に学習する熟語数を決める
学習前の準備として、1週間に学習する熟語の数を決めましょう。
なぜ1週間なのかというと、ひとつの熟語グループを1週間かけて何周も行うから。
下の学習例のうち、右の表のようなイメージです。
範囲 | 学習日 |
---|---|
1-36 | 1日 |
37-72 | 2日 |
: | : |
217-252 | 7日 |
範囲 | 学習日 |
---|---|
1-250 | 1日 |
1-250 | 2日 |
: | : |
1-250 | 7日 |
学習する熟語数を決めたら、回転率を意識して1週間その熟語たちを徹底して学習しましょう。
STEP2:熟語をチェックして振り分けする
250熟語のうち、使える熟語と使えない熟語にふり分けるためのチェックをします。
すこし厳しい基準かもしれませんが、厳しいくらいがちょうど良いです。
基準に満たなかった熟語には「
」をつけるなど目立つようにしましょう。STEP3:使えない熟語を学習する
振り分けがおわったら、「使えない熟語」を学習します。
しかし、ただ熟語をみて日本語の意味を考えるだけでは効果的な学習といえません。
熟語を覚えるときのポイントをもういちど確認しましょう。
・高い回転率を意識する
・熟語のイメージをつかむ
・フレーズ(コロケーション)を発音する
これらのポイントはつまり、こういうことになります。
- 高い回転率を意識する=繰り返し反復する
- 熟語のイメージをつかむ=フレーズ(コロケーション)の内容をイメージする
- フレーズ(コロケーション)を発音する=アプリや音声をつかう
それぞれ詳しくみていきましょう。
高い回転率を意識する→繰り返し反復する
人は時間とともに覚えたことをどんどん忘れていきますよね。
ある研究では、時間をあけつつ何度も復習することが記憶の定着に良いことがわかりました。
とはいえ、いちど覚えたことを毎日のように何度も復習するのは、時間がかかり効率的ではありません。
そこで、以下のようなルールで取り組みましょう。
- A〜Eまでの箱をつくり、250熟語すべてAの箱に入れておく
- 熟語をひとつずつチェックをして、0.5秒以内に正解したら次の箱へ。例えば、Aの箱に入っている熟語を正解したらBに。Bの箱に入っている熟語を正解したらCの箱に入れる
- 不正解の場合はどの箱に入っていてもAの箱に戻す
- Aは毎日、Bは1日おき、Cは3日おき、Dは7日おき、Eは14日おきに復習をするなど、連続して正解した熟語は復習する頻度を減らす
※説明のために便宜上「箱」を用いて説明していますが、実物を用意するのは手間です。なので、
- A→何もなし
- B→
- C→
- D→
- E→
のように「チェック」で置き換えるとやりやすいと思います。
このルールで復習をおこなうことで、高い回転率を保つことができるので非常におすすめです。
熟語のイメージをつかむ=フレーズ内容をイメージする
使える熟語かどうかの判断基準として「0.5秒以内に日本語の意味がわかる」と述べましたが、金の熟語はフレーズやコロケーションで単語を覚える仕様。
フレーズだと答えるだけで0.5秒以上かかっちゃう!
と思いますよね。
そのため、復習のときはフレーズで学習し、STEP1の熟語を振り分けるチェックテストでは熟語←→日本語のみでおこなうことをおすすめします。
フレーズ(コロケーション)を発音する=アプリや音声をつかう
復習のときはかならず発音しましょう。
発音をすべき理由は以下の2つです。
例えば「ノーランテゥ」という音(便宜上カタカナにしています)が聞こえてきたとき、すぐに「not until」だとわかるでしょうか。
日本人の多くは「not until」を「ノットアンティル」という音だと勘違いしており、そのように発音します。
しかし本当の発音は「ノーランテゥ」。これが「思いこみの音」と「実際の音」とのズレです。
熟語と発音が一致していないので、熟語を知っていても聞きとれないという事態が生じます。
「思いこみの音」と「実際の音」とのズレに気づき、なくすために熟語を発音しましょう。
人がなにかを学ぶとき、学ぶ方法によって定着率が変わるという研究結果があります。
下の図のうち、「発音する」は「自ら体験する」のカテゴリで定着率は70%。
ただ音声を聞いて熟語を眺める「視聴覚」の定着率20%と比べると、その差は明らかですよね。
このように、熟語を発音することの定着効果はかなり大きいです。
具体的には、音声やアプリを使って効果的に学習していきましょう。
音声やアプリでより効果的に学習する|メリット
定着率が高くなる以外にも、音声やアプリを活用するメリットはいっぱいあります。
- スキマ時間を活用できる
- 復習が簡単にできる
- シャドーイングができる
それぞれ詳しくみていきましょう。
スキマ時間を活用できる
単語ってどうしても集中力が続かないんだよね…
という方こそアプリを使いましょう。
電車やお昼休みなど、ぼーっとしてムダに過ごしてしまっている時間は必ずあります。
そもそも熟語にガッツリ時間をとる必要はありません。
アプリでの学習は場所を選ばないので、スキマ時間を有効活用できます。
復習が簡単にできる
紙のテキストだと不便に感じる復習も、アプリなら簡単にできます。
下の画像は、このあと紹介する「abceed」というアプリでみれる画面。
- 習得済
- 要復習
- 未学習
の3つに分かれており、学習していくうちに自分の苦手な単語だけが勝手にストックされていきます。
紙のテキストだと自分で目印をつけなくてはいけませんが、アプリには目印をつける手間がありません。
学習へのハードルが下がるのはかなり嬉しいですよね。
シャドーイングができる
スマホで音声を持ち運べるので、いつでもシャドーイングができます。
シャドーイング…リスニングに良いって聞くけど、そんなにやったほうが良いの?
絶対にやるべき。シャドーイングは最も効果的なリスニング学習方法のひとつ!
シャドーイングとは、音声から2,3語おくれつつ、その音声を真似て同じように発音する学習のことです。
難しそうですよね。けっこう難しいです。
でも絶対にやるべき学習なので、シャドーイングの具体的なやり方が分からない場合は下の記事もあわせてご覧ください。
このように、音声やアプリを使うことによる学習効果はかなり大きいことがわかりました。
音声やアプリでより効果的に学習する|ダウンロード方法
金の熟語の紙の本で学習する場合でもアプリを使う場合でも、「abceed」というAI英語教材アプリを活用するのがかなり便利です。
音声だけをアプリで活用したい場合
ダウンロードが完了し初期設定を終えたら、ホーム画面の真ん中下にある「
教材」をタップしてください。すると下の画面にうつるので、「
検索」で「金の熟語」を検索すると出てきます。もしくは上記画面を下にスクロールすると「単語・熟語」カテゴリがあるので、右にスワイプしていくと「金の熟語」があります。
黒フレの画面にいけたら、「
音声」という項目があるので、タップ。音声は2パターンから選べます。
それぞれの音声は以下のように流れます。
- 英単語→意味→日本語フレーズ→英文フレーズ
- 英単語→英文フレーズ
アプリのみで日々の学習もしたい場合(購入)
アプリ内で金の熟語を見つけるところまでは、音声だけを活用したい場合とおなじ。
金の熟語の画面にいき右上の「購入」ボタンを押しましょう。
すると下の画面に進むので、最下部の「購入」ボタンをクリックしたら購入ができます。
購入が完了するとアプリ学習ができるようになるので、目標期日までのスケジュールを逆算して1日の学習単語数を決めて毎日学習していきましょう。
ちなみに、購入画面の上部に「Pro会員として利用する」というボタンがありますよね。
これは何かというと、月額料金を払えばアプリ内の教材使い放題や模試受け放題、さらに学習進捗等に応じてAIがおすすめ問題をピックアップしてくれる機能などがついてくるサブスクリプションプランです。
プランはぜんぶで3つあるので、学習計画に応じて自分にあったプランを選択できます。
やっぱり単語学習がつづかない…という方へ
気合で乗り切ろう!やるしかない!なんてことは言いません。
できないから苦労するんですよね。
私自身、集中力が続かないし復習するのも忘れるし、結果的には1週間くらいでやめてしまうなんてことを何度も経験しています。
単語学習がいちばんつらかった…
『ひとりじゃできない、けど英語をやらなきゃいけない』
という人は、スクールを利用しましょう。
ここでいうスクールとは、英会話スクールではなく英語コーチングスクール。
英語コーチングスクールとは
- 英語版パーソナルジムのようなイメージ
- 英会話がメインではなく、学習の習慣化がメイン
- 受講期間は2,3ヶ月
- 受講者には専属のコーチがつく
- 毎日LINEで成果を報告したりスケジュール管理をされる
英語学習で挫折する最大の原因は、継続できない意思の弱さ。
専門のコーチがついてちょっとくらいお尻を叩かれたほうが、挫折せずに目標が達成できる、というわけです。
下の画像をみるとわかりますが、英語をやっておけば良かったと思う人が圧倒的に多いですよね。
年齢別にみても、学んでおけば良かった教養第1位は【英語などの語学】です。
つまり、やろうとは思っていてもなかなか手につかず年を重ね、『あのときやっておけば良かった』と後悔してしまう可能性がかなり高いということ。
”後悔先に立たず”ではないですが、英語学習を後回しにしても良いことはありません。
まずは英語コーチングスクールの無料カウンセリングで話だけでも聞き、学習へのイメージを膨らませてみましょう。