TOEIC単語帳の「黒のフレーズ」ってどうなの?
結論、かなりおすすめ。ただしTOEIC700点以上の学習者が使うべき。効果的なやり方をふくめて詳しく解説するね!
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TOEIC単語帳としてなじみの深い「〇〇フレーズ」シリーズは、英語コーチの私も非常に信頼しています。
学習者を最大限に配慮した学習導線や単語の選び方、そしてコンパクトなサイズ感。総合的に完璧な単語帳です。
しかし、そうはいっても使い方がよく分からないという声をよく聞きます。
そこでこの記事では、黒フレの効果的な使い方を詳しく解説していきます。
- TOEICフレンドリーな設計で覚えやすい
- 音声やアプリでより効果的な学習ができる
無料で音声をきく方法やアプリの具体的な使い方もすべて解説しており、この記事のとおりに学習すれば最短で黒フレをマスターできるようにしました。
黒フレをおすすめする理由と注意点
効果的な学習方法を解説する前に、『なぜ私が黒フレをおすすめするのか』を詳しくお話しします。
そういうのはいらないから…
と思った方、要注意。
なにかを始めるときに「なぜやるのか」という理由を知るのと知らないのでは、モチベーションに大きく差がでます。
3日坊主にならないためにも、黒フレがTOEIC学習に最適な理由を確認しましょう。
理由は以下の3つ。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
難易度が常に一定なのでモチベーションを保ちやすい
一般的な単語学習帳はレベル別で順番に単語が収録されていますが、「黒フレ」は4段階に単語をレベル分け。
どのレベルの単語も同じページに均等に登場させることで、Round1からRound5までの全5章の中で難易度の差をなくしているのです。
具体的には、1ページの構成が以下のようになっています。
・やや難(Aランク:600〜800点レベル)」:3語
・難(Bランク:800〜900点レベル)」:3語
・超難(Cランク:900〜950点レベル)」:2語
・鬼難(Sランク:950〜990点レベル)」:2語
難易度の違う英単語をおなじページに登場させることで、たとえば以下のように黒フレを何周も学習する習慣をつくることが可能。
1周目:Aランクのみを実施。金フレの復習も兼ねて
2周目:1周目で覚えられなかった単語+Bランク
3周目:1,2周目で覚えられなかった単語+Cランク
4周目:1,2,3周目で覚えられなかった単語+Sランク
※もちろん各周の中で1つの単語に出会う回数を多くし、長期記憶に定着させる必要はあります(これについては後述)
単語学習がなかなか続かない理由のひとつに、「難しい単語が多すぎて成長実感がなくモチベーションが保てない」とよく言われますが、黒フレなら問題なし。
どのレベルの単語も同じページに均等に登場しているので黒フレ1冊を何度も学習する設計が敷かれているので、学習習慣がついてモチベーションを保つことができます。
目指すスコアに応じて学習する単語を1ページの中で分けられるので、900点を目指す人なら超難(Cランク)まで、990点満点を目指しているなら鬼難(Sランク)までというように、目標スコアによって学習範囲を変えましょう。
見開きページの左にフレーズ、右に単語があり覚えやすい
黒フレを見開きでみると、下の画像のようになります。
左にフレーズ、右に単語がありますよね。
フレーズ→単語の順番で学習をする設計になっています。
『英単語の正しい覚え方|英語コーチが教える効率的な学習方法』でも述べていますが、英単語を覚えるときのポイントに【身近なものとリンクさせる】というのがあります。
英単語を覚えるときは、その単語がどのようなシーンで使われるかをイメージしようねということ。
英単語←→日本語の対だけで覚えても、使える英単語にはなりません。
英単語は、どのようなシーンで使われるかをイメージしながら覚える
リスニングやリーディングで『あ、この単語。知ってるけど…』のように考えてしまうと、音声や英文の理解に時間がかかってしまいますよね。
TOEICは時間との勝負なので、いかに単語をすばやく処理できるかがとても大事。
そのためには、使える英単語のインプットが欠かせないのです。
黒フレの見開きページは、英単語の使われるシーンがフレーズを通して分かり、日本語の意味も瞬時に覚えられる設計になっています。
まさに使える英単語をそのままインプットできるというわけです。
おなじ単語に意図的に出会うように工夫されている
黒フレに掲載されている単語の多くは800点レベル以上を想定されているもの。
それゆえ単語自体になじみがなく、初めて見る単語も少なくないはずです。
英単語習得は長期記憶への定着がカギなので【いかに短い期間でおなじ単語に出会うか】という回転率が重要になりますが、1日の中で単語学習だけに時間を費やすわけにもいきません。
黒フレはこの【長期記憶保存のために回転率をあげたいけど、単語学習にそこまで時間を取れない】という問題を解決しています。
既出の単語が時折、違う単語のフレーズにちりばめられているのです。
たとえば「1ページ目に出てきた英単語が、12ページ目でフレーズの中に再度登場する」という感じ。
おなじ単語に意図的に出会う工夫がされているので、学習するごとに回転率があがり定着度が増します。
【注意】700点未満の人は金フレからやろう
もしあなたのTOEICスコアが700点未満なら、黒フレはまだ早いです。
金フレをおすすめします。
教材 | 黒フレ | 金フレ | 銀フレ |
---|---|---|---|
レベル | 700点以上 | 500点以上 700点未満 | 500点未満 |
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黒フレの効果的な使い方
黒フレの学習メリットについて解説してきました。
つぎは、効果的な黒フレの使い方を具体的に解説していきます。
黒フレに限らずですが、単語を覚えるときのポイントは以下の3つ。
・高い回転率を意識する
・単語のイメージをつかむ
・フレーズ(コロケーション)と単語を発音する
この3つは全て『なんとなくそうした方が良さそうだから』というわけではなく、科学的な根拠に基づいた絶対に守ってほしいポイント。
ではポイントをふまえた上で、具体的なやり方を解説していきます。
STEP1:1週間に学習する単語数を決める
学習前の準備として、1週間に学習する単語の数を決めましょう。
なぜ1週間なのかというと、ひとつの単語グループを1週間かけて何周も行うから。
下の学習例のうち、右の表のようなイメージです。
範囲 | 学習日 |
---|---|
1-36 | 1日 |
37-72 | 2日 |
: | : |
217-252 | 7日 |
範囲 | 学習日 |
---|---|
1-250 | 1日 |
1-250 | 2日 |
: | : |
1-250 | 7日 |
学習する単語数を決めたら、回転率を意識して1週間その単語たちを徹底して学習しましょう。
これからの説明では、1週間で250単語、つまり1ヶ月でちょうど1000語を覚えることを目標にして学習の手順を解説します。
STEP2:英単語をチェックして振り分けする
250単語のうち、使える英単語と使えない英単語にふり分けるためのチェックをします。
すこし厳しい基準かもしれませんが、厳しいくらいがちょうど良いです。
基準に満たなかった英単語には「
」をつけるなど目立つようにしましょう。STEP3:使えない英単語を学習する
振り分けがおわったら、「使えない英単語」を学習します。
しかし、ただ英単語をみて日本語の意味を考えるだけでは効果的な学習といえません。
単語を覚えるときのポイントをもういちど確認しましょう。
・高い回転率を意識する
・単語のイメージをつかむ
・フレーズ(コロケーション)と単語を発音する
これらのポイントはつまり、こういうことになります。
- 高い回転率を意識する
=繰り返し反復する - 単語のイメージをつかむ
=フレーズ内容をイメージする - フレーズと単語を発音する
=アプリや音声をつかう
それぞれ詳しくみていきましょう。
高い回転率を意識する→繰り返し反復する
人は時間とともに覚えたことをどんどん忘れていきますよね。
ある研究では、時間をあけつつ何度も復習することが記憶の定着に良いことがわかりました。
とはいえ、いちど覚えたことを毎日のように何度も復習するのは、時間がかかり効率的ではありません。
そこで、以下のようなルールで取り組みましょう。
- A〜Eまでの箱をつくり、250単語すべてAの箱に入れておく
- 単語をひとつずつチェックをして、0.5秒以内に正解したら次の箱へ。例えば、Aの箱に入っている単語を正解したらBに。Bの箱に入っている単語を正解したらCの箱に入れる
- 不正解の場合はどの箱に入っていてもAの箱に戻す
- Aは毎日、Bは1日おき、Cは3日おき、Dは7日おき、Eは14日おきに復習をするなど、連続して正解した単語は復習する頻度を減らす
※説明のために便宜上「箱」を用いて説明していますが、実物を用意するのは手間です。なので、
- A→何もなし
- B→
- C→
- D→
- E→
のように「チェック」で置き換えるとやりやすいと思います。
このルールで復習をおこなうことで、高い回転率を保つことができるので非常におすすめです。
単語のイメージをつかむ=フレーズ内容をイメージする
使える単語かどうかの判断基準として「0.5秒以内に日本語の意味がわかる」と述べましたが、黒フレはフレーズで単語を覚える仕様。
フレーズだと答えるだけで0.5秒以上かかっちゃう!
と思いますよね。
そのため、復習のときはフレーズで学習し、STEP1の単語を振り分けるチェックテストでは英単語←→日本語のみでおこなうことをおすすめします。
フレーズと単語を発音する=アプリや音声をつかう
復習のときはかならず発音しましょう。
発音をすべき理由は以下の2つです。
例えば「ノーランテゥ」という音(便宜上カタカナにしています)が聞こえてきたとき、すぐに「not until」だとわかるでしょうか。
日本人の多くは「not until」を「ノットアンティル」という音だと勘違いしており、そのように発音します。
しかし本当の発音は「ノーランテゥ」。これが「思いこみの音」と「実際の音」とのズレです。
熟語と発音が一致していないので、熟語を知っていても聞きとれないという事態が生じます。
「思いこみの音」と「実際の音」とのズレに気づき、なくすために熟語を発音しましょう。
人がなにかを学ぶとき、学ぶ方法によって定着率が変わるという研究結果があります。
下の図のうち、「発音する」は「自ら体験する」のカテゴリで定着率は70%。
ただ音声を聞いて熟語を眺める「視聴覚」の定着率20%と比べると、その差は明らかですよね。
このように、フレーズや単語を発音することの定着効果はかなり大きいです。
具体的には、音声やアプリを使って効果的に学習していきましょう。
音声やアプリでより効果的に学習する|メリット
定着率が高くなる以外にも、音声やアプリを活用するメリットはいっぱいあります。
- スキマ時間を活用できる
- 復習が簡単にできる
- シャドーイングができる
それぞれ詳しくみていきましょう。
スキマ時間を活用できる
単語ってどうしても集中力が続かないんだよね…
という方こそアプリを使いましょう。
電車やお昼休みなど、ぼーっとしてムダに過ごしてしまっている時間は必ずあります。
そもそも単語にガッツリ時間をとる必要はありません。
アプリでの学習は場所を選ばないので、スキマ時間を有効活用できます。
復習が簡単にできる
紙のテキストだと不便に感じる復習も、アプリなら簡単にできます。
下の画像は、このあと紹介する「abceed」というアプリでみれる画面。
- 習得済
- 要復習
- 未学習
の3つに分かれており、学習していくうちに自分の苦手な単語だけが勝手にストックされていきます。
紙のテキストだと自分で目印をつけなくてはいけませんが、アプリには目印をつける手間がありません。
学習へのハードルが下がるのはかなり嬉しいですよね。
シャドーイングができる
スマホで音声を持ち運べるので、いつでもシャドーイングができます。
シャドーイング…リスニングに良いって聞くけど、そんなにやったほうが良いの?
絶対にやるべき。シャドーイングは最も効果的なリスニング学習方法のひとつ!
シャドーイングとは、音声から2,3語おくれつつ、その音声を真似て同じように発音する学習のことです。
難しそうですよね。けっこう難しいです。
でも絶対にやるべき学習なので、シャドーイングの具体的なやり方が分からない場合は下の記事もあわせてご覧ください。
このように、音声やアプリを使うことによる学習効果はかなり大きいことがわかりました。
音声やアプリでより効果的に学習する|ダウンロード方法
黒フレの紙の本で学習する場合でもアプリを使う場合でも、「abceed」というAI英語教材アプリを活用するのがかなり便利です。
音声だけをアプリで活用したい場合
ダウンロードが完了し初期設定を終えたら、ホーム画面の真ん中下にある「見つける」をタップしてください。
すると下の画面にうつるので、「黒フレ」をタップします。
ただ、人気ランキング順位によっては矢印の場所にないかもしれません。
その場合は「
検索」から黒フレを検索しましょう。黒フレの画面にいけたら、「
音声」という項目があるので、タップ。音声は3パターンから選べます。
それぞれの音声は以下のように流れます。
- 英単語→意味→日本語フレーズ→英文フレーズ
- 英単語→英文フレーズ
- 英単語→英文フレーズ
②と③は英単語→英文フレーズというパターンこそおなじですが、アプリ画面が以下のように違います。
②は章のような形で01・02・03…と区切られていて01〜10までの全10章あり、1章あたり100語が収録されているため、単語をもういちど聴きたくてもどこまで戻れば良いかひと目でわからないのが学習導線がよくありません。
③は単語ごとの区切りなので、単語をもういちど聴きたい場合はその単語をタップすれば良いだけなので、学習導線が非常に良いです。
①から③までの中で紙の本を見ながらabceedで音声を聴く場合は、①か③がおすすめです。
アプリのみで日々の学習もしたい場合(購入)
アプリ内で黒フレを見つけるところまでは、音声だけを活用したい場合とおなじ。
黒フレの画面にいき右上の「購入」ボタンを押しましょう。
すると下の画面に進むので、最下部の「購入」ボタンをクリックしたら購入ができます。
購入が完了するとアプリ学習ができるようになるので、目標期日までのスケジュールを逆算して1日の学習単語数を決めて毎日学習していきましょう。
ちなみに、購入画面の上部に「Pro会員として利用する」というボタンがありますよね。
これは何かというと、月額料金を払えばアプリ内の教材使い放題や模試受け放題、さらに学習進捗等に応じてAIがおすすめ問題をピックアップしてくれる機能などがついてくるサブスクリプションプランです。
プランはぜんぶで3つあるので、学習計画に応じて自分にあったプランを選択できます。
やっぱり単語学習がつづかない…という方へ
気合で乗り切ろう!やるしかない!なんてことは言いません。
できないから苦労するんですよね。
私自身、集中力が続かないし復習するのも忘れるし、結果的には1週間くらいでやめてしまうなんてことを何度も経験しています。
単語学習がいちばんつらかった…
『ひとりじゃできない、けど英語をやらなきゃいけない』
という人は、スクールを利用しましょう。
ここでいうスクールとは、英会話スクールではなく英語コーチングスクール。
英語コーチングスクールとは
- 英語版パーソナルジムのようなイメージ
- 英会話がメインではなく、学習の習慣化がメイン
- 受講期間は2,3ヶ月
- 受講者には専属のコーチがつく
- 毎日LINEで成果を報告したりスケジュール管理をされる
英語学習で挫折する最大の原因は、継続できない意思の弱さ。
専門のコーチがついてちょっとくらいお尻を叩かれたほうが、挫折せずに目標が達成できる、というわけです。
下の画像をみるとわかりますが、英語をやっておけば良かったと思う人が圧倒的に多いですよね。
年齢別にみても、学んでおけば良かった教養第1位は【英語などの語学】です。
つまり、やろうとは思っていてもなかなか手につかず年を重ね、『あのときやっておけば良かった』と後悔してしまう可能性がかなり高いということ。
”後悔先に立たず”ではないですが、英語学習を後回しにしても良いことはありません。
まずは英語コーチングスクールの無料カウンセリングで話だけでも聞き、学習へのイメージを膨らませてみましょう。