TOEICの勉強って意味あるの?満点でも英語がぜんぜん話せなかったり聞けない人ってけっこういるよね。。
周りでこんなことを言っている人がいたり、もしくはネットでみたことがあるかもしれません。
英語を勉強していると『TOEICのため?』と聞かれたり、転職しようと求人をみると『TOEIC800点以上』などと書かれています。
そのため、TOEIC満点でも英会話ができない人を例にあげて『ほらね、TOEICは役に立たないでしょ?』と言われることも。
TOEICなんてハイスコアとる必要がないよね!というのが彼らの主張。
でもじつは、そもそもTOEICと英会話力を比較することが間違っているよ!
TOEICは、テストとしての信頼性が高いことはあらかじめ断言しておきます。これは間違いありません。
しかし、TOEICスコアと英会話力を並べて考えてしまうことがおかしいのです。
この記事で述べる「TOEIC」とは、「TOEIC L&R」を指します。TOEICテストにはスピーキング力とライティング力を測るテストもありますが、ここでは触れません。
結論:TOEIC満点でも英語が話せるわけではない
先ほどから述べていますが、TOEICテストで満点だからといって、英語が話せるわけではありません。
【覚えよう】そもそもTOEICスコア ≠ 英会話力
TOEIC満点なのに、どうして英語がしゃべれないの?
この疑問は、
TOEICハイスコア = 英語がしゃべれる
という前提で話していますよね。
でも、この前提が間違っています。
TOEICテストはリスニングとリーディングで構成されています。
つまり、英会話力を測るためのテストではありません。
それなのに、リスニングとスピーキングで構成される英会話力と比較するのは正直ナンセンスですよね。
もしあなたが今、TOEICのスコアは高いけど英会話力に自信がないことで悩んでいたら、その悩みは無意味です。
TOEIC力と英会話力の比較は、言うなれば「日本語を話せることと現代文のテストで高い点数をとれること」の比較をしているのと同じです。
TOEICのリスニング、じつは簡単?
そしてもう一つ、TOEICのリスニングは英会話のリスニングに比べて簡単です。
TOEICはあくまでテスト。リスニング音声は聞きやすいようにかなり配慮されています!
テストなのに、雑音が入ったりそもそも話者が聞きにくい話し方をしていたらどうでしょうか。
不満がでますよね。
TOEICはあくまでテストなので、リスニング音声は実際の英会話よりもかなり聞きやすいように話し方やリズム、訛りが配慮されています。
さらにいうと、TOEICテストは静かな会場で行います。
音声だけに集中できる環境も備わっているというわけです。
- TOEICのリスニングは、話し方やリズムなど配慮されている
- 静かな会場で行うので、音声だけに集中できる環境がある
英会話のリスニングとは状況がまったく異なりますよね。
『TOEIC満点なのに英語が話せない/聞けない』という疑問をもつこと自体が、かなりトンチンカンなことだとお分かりになったかと思います。
TOEICスコア = 英会話力という前提が間違っているのです。
なぜTOEICスコアと英会話力は比較されがちなのか
このように、少し考えれば【TOEICスコア ≠ 英会話力】だと分かるのに、なぜ比較されることが多いのか。
理由は2つあります。
- 【英語ができる ≒ TOEICハイスコア】という思い込み
- 企業の多くがTOEICスコアで英語力を判断している
【英語ができる ≒ TOEICハイスコア】という思い込み
これは英語コーチとしての経験を通してですが、英語ができない人ほどTOEICスコアで英語力を判断する傾向にあると考えています。
たしかに英会話力がある人は、TOEICスコアも高いかもしれません。
というより、YouTubeや書籍などで目立つ”英語ができる人”の多くが高いTOEICスコアを持っています。
なので、【英語ができる ≒ TOEICハイスコア】という思い込みが生まれてしまうのでしょう。
もちろん、TOEICスコアが高い人ほど英会話力が傾向にあることは事実。
しかし因果関係はなく、相関関係にすぎないという捉え方が正解です。
企業の多くがTOEICスコアで英会話力を判断している
TOEICスコアと英会話力が比較されがちなもう一つの原因は、企業にあります。
英会話力が必要な仕事の求人をみると、けっこうな頻度で以下のような文言が目立ちます。
- TOEIC800点以上
- 英文メールの読み書きができる
英会話力を示す指標として、まっさきにTOEICがでてくるのです。
前述したようにTOEIC力 ≠ 英会話力なのですが、このような求人が多いのには理由があります。
企業がTOEICスコアで英会話力を判断しようとする理由
- 採用担当の英会話力が低い
- TOEIC以外に便利な指標がない
採用担当の英会話力が低い
これは結構あるあるです。
英会話力ができる人を採用したいけど、そもそも採用担当者が英会話できない。
だから候補者がどれくらい英会話できるか判断しようがない。
けっきょく、TOEICというなじみのある資格で英会話力を判断しがちにならざるを得ないというわけです。
TOEIC以外に便利な指標がない
もう一つの理由は、TOEICが便利だから。
社会人の多くが毎年受けている英語の資格は、TOEIC以外にそうありません。
英検やTOEFLなど英会話力を測る資格はありますが、社会人が受けているメジャーな資格ではないですよね。
多くの人がTOEICを受けているから候補者も目安にしやすいし、応募しようという気になるというわけです。
企業はできるだけ多くの人に応募してもらい、より良い人材を確保したいですからね。
TOEICで英語の「基礎力」があるかどうかは分かる
とはいえ、TOEICスコアがまったく英語力に影響しないわけではありません。
英語の基礎力があるかどうかをTOEICスコアで判断することができます。
下の図は第二言語習得理論に基づく学習プロセスを表したものです。
TOEICテストはこの図のうち「インプット」に該当します。
つまり、TOEICスコアが高い人ほど英語の基礎力があると言うことができます。
まずはTOEICスコアを持っておこう
TOEICスコアが高くても英会話力とは関係ないんだね。じゃあ、これから英語力を伸ばそうと思っている人は何から始めれば良いの…?
まずは【英会話の素養(基礎)がある】と判断されるTOEIC730点を目指しましょう。
730点は企業でも「英語力がある」と評価される目安のスコアでもありますし、英会話力をあげるための基礎力が備わっているスコアともいえます。
これから初めてTOEICを受ける!という方やTOEICスコアに伸び悩んでいる方は、ぜひ下の記事もあわせて見てみてください。
TOEICスコアを効率よく伸ばすための戦略を余すところなくお伝えしています。
TOEIC初心者向けに書いた記事なのでかなり参考になると思います。
すでにTOEICがハイスコアの場合
『730点以上はすでに持っていて、これから英会話力をあげていきたい』という方は、自分の目指す英会話力が具体的にどのくらいのレベルなのかをまずは言語化しましょう。
そうしないと、いつまで経っても成長実感が得られず挫折しかねないからです。
自分の求める「英会話力」のレベルを言語化しよう
参考:『独学でTOEICスコアや英会話力を向上するのは難しい?伸び悩む3つの原因と解決策』
独学でやってみたけど英語力があがらない場合
スクールを利用しましょう。英語力が伸び悩む原因は主に
- 目標の設定に失敗する
- 参考書の選定と実施方法に失敗する
- モチベーションコントロールに失敗する
の3つありますが、どれも自分1人だとなかなか難しいですよね。
どう工夫して学習しても(しようとしても)失敗ばっかりしてしまうという方は、コーチングスクールを利用して短期間で一気に英語力をあげちゃいましょう。
スクールってなんかいやだ。もうちょっと独学で頑張りたい。
と思っていると、いつまで経っても結果はついてこないので要注意。
当サイトをはじめ、ネット検索すれば英語の正しい学習方法に触れる機会はたくさんあります。
なのに英語力があがらないのはなぜか。
それは、(ちょっと厳しいことを言うと)サボっているからに他なりませんよね。
英語力があがらないのは、毎日継続して学習していないから
つまり、英語力をあげるためには誰かに管理をしてもらい、毎日学習する義務を自分に課せばいいというわけです。
そのために、英語コーチングスクールを利用することをおすすめします。
まずは英語コーチングスクールの無料カウンセリングで話だけでも聞き、学習へのイメージを膨らませてみましょう。