この記事では、第二言語習得理論にもとづく、リーディングプロセスの説明と効果的なリーディング学習法法について詳しく解説しています。
英語学習をしていてよく見かけるのが、学習の目的を理解せずただやみくもに『良い』と噂される学習をする人。
だいたいすぐにモチベーションが下がって、違う学習方法を試したり英語学習をやめてしまっています。
英語学習は毎日の継続が大事。そのためには、理論をしっかりと理解しよう
英語学習の全体像から知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
リーディングには2つのプロセスがある
第二言語習得理論によると、リーディングは大きく2つのステップから成り立っています。
文字知覚と意味理解です。
知識データベースとは、基礎学習の部分(単語や文法)を指します。
リーディングの大きな流れは、
- 文字知覚プロセスで単語を認識
- 意味理解プロセスで知識データベースに問い合わせをして、文章として意味を理解
となっています。
1.文字知覚プロセス
文字知覚とは『目で見てなんていう単語か認識する』こと。
このプロセスは知識データベースへの問い合わせはなく、独立したプロセスです。
どういうことかというと、『目で見てなんていう単語か認識する』=『目で見てアルファベットの塊を認識する』なので目が見えているかぎり誰でもできるということ。
There are many guests at the event.
上の文章。それぞれなんていう単語か(アルファベットの塊か)は認識できますよね。
単語の意味がわかるかどうかではありません。
文字近くとは、「単語が7つあることを認識できるかどうか」だよ!
つまり、文字知覚は鍛えようがないプロセスとも言えます。
2.意味理解プロセス
意味理解とは『認識した単語と英文法をふまえて、聞こえてきた文章の意味を理解する』こと。
意味理解プロセスでは、知識データベースの単語データ(意味)/文法データ/例文データに問い合わせをします。
単語の意味と文法を理解できると、意味理解ができます。
リーディングができる状態とは
ここまでの説明をふまえて『リーディングができる』状態とは、意味理解プロセスをスムーズにおこなえる状態だといえます。
意味理解プロセスでは、知識データベースの単語データ(意味)/文法データ/例文データに問い合わせをするので、英単語や英文法知識は必須。
- 英単語の記事はこちら
:『記憶のメカニズムと英単語学習の基本ルール4つ』 - 英文法の記事はこちら
:『記憶のメカニズムと英文法学習の基本ルール4つ
その上で、意味理解プロセスを徹底して強化していく必要があります。
意味理解を無意識にできるのが理想
『リーディングができる状態』=意味理解プロセスをスムーズにおこなえる状態と定義しましたが、スムーズとはどの程度を指すのか。
結論からいうと、無意識で意味理解をおこなえるレベルです。
たとえば「There are many guests at the event.」の意味を少しでも考えてしまったり、「そのイベントには多くのゲストがいる。」のように日本語訳で解釈していたりするのは、無意識で意味理解を行えているとは到底いえませんよね。
意味理解を無意識でおこなえると、「短期記憶」に頭を使うことができます。
短期記憶に頭を使えるようになると、リーディングをしているときに「あれ?内容を忘れてしまった…」という状態を脱することができ、覚えていられます。
日本人が目指すべきは知識の「自動化」
無意識で意味理解をおこない、短期記憶に頭を使える状態を目指すために何をすべきか。
知識を自動化させましょう。
知識の自動化とは
:意味理解プロセスで知識データベースに問い合わせをするとき、ほとんど考えず無意識に適切な単語データや文法データをひっぱってこれる状態
知識の自動化を達成することで、意味理解を無意識におこなえるようになります。
そもそも、日本人が英単語や英文法を「知っている」状態というのは、そのほとんどが「顕在記憶として知っている」レベル。
つまり、「知っているけど使えない/使うのに時間がかかる」英単語や英文法ということです。
意識したら活用できるかな、という程度なので、当然ながら意味理解を無意識におこなうことはできません。
無意識に活用できる潜在記憶レベルまで英単語や英文法を定着させることで、知識の自動化につながり、意味理解を無意識におこなえるようになります。
意味理解プロセスを自動化する効果的な学習
リーディングができるようになるには、英単語や英文法知識を潜在記憶に定着させることが効果的だとわかりました。
ここからは、意味理解プロセスにおいて、どのような学習をすれば知識を潜在記憶に定着できるのか解説していきます。
具体的な学習は3つ。
精読/速読/多読です。
それぞれの学習について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
- 精読の記事はこちら
:『精読の効果と具体的なやり方・おすすめの教材もレベル別に紹介』
- 速読の記事はこちら
:『速読の効果と具体的なやり方・おすすめの教材もレベル別に紹介』
- 多読の記事はこちら
:『多読の効果と具体的なやり方・おすすめの教材もレベル別に紹介』