この記事でわかること
- WPMからわかる、あなたに最適なシャドーイング教材の具体的な探し方
- シャドーイングに不安がある人への解決策
シャドーイングで最も難しいのが教材選び
シャドーイングとは
:英語音声から2,3語遅れながら、聞こえてきた音を真似して発音する学習方法
シャドーイングをするにあたって、『シャドーイングは意味ない?3つの間違いと失敗しないための対策を英語コーチが解説』でも解説しているように、陥りがちな3つの間違いがあります。
- 「間違った教材」でシャドーイング
- 「間違ったプロセス」でシャドーイング
- 「間違った音」でシャドーイング
このうち、とりわけ多いのが「間違った教材」でシャドーイングしている場合。
ここでいう「間違った教材」とは、下記の3つを指しています。
ここで詳しくは触れませんが、3つの間違いと「間違った教材」についてより具体的に知りたい場合は、以下の記事をどうぞ。
シャドーイングについてもっと詳しく知りたい場合は、こちらの記事もあわせてみてください。
あなたのレベルに最適なシャドーイング教材の探し方
ひとことで『初級者レベル』『中級者レベル』などといっても、それぞれのレベルの幅はかなり広いですよね。
TOEICテストを運営するIIBC(一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会)が掲載する【レベル別評価の一覧表】を例にあげてみましょう。
275点と375点が評価項目としてはおなじ扱いをされていますが、TOEICを受けたことある人ならわかりますが275点と375点の実力は雲泥の差です。
一般的には275点は中級者、375点なら上級者の仲間入りくらいのレベルですが、【レベル別評価の一覧表】の中では同一カテゴリ内でおそらく『中級者』、長所と短所はおなじ扱いになっています。
これでは、正直あまり参考にはなりませんよね。
一方で私たちは、TOEICスコアを上げるためにはできるだけ自分のレベルにあった教材を探し学習する必要があります。
ずばり、レベルにあった探すにはあなた自身のWPMを測りましょう。
- あなたのレベルに最適なシャドーイング教材の探し方
:自分のWPMを測り、自分のWPM※よりも少しだけ簡単なWPMの教材を選ぶ
※WPM:Words Per Minuteの略。1分間に読める/話せる単語数のこと。
なぜ「少しだけ簡単な」教材かというと、『外国語を話せるようになるしくみ シャドーイング が言語習得を促進するメカニズム』でも言われているように、言語学習においては、自分の学力をiとした時にそれよりも低い「i-1」「i-2」くらいの教材を選ぶのが良いからです。
……かなりやさしめの素材、すなわち自分の学力をiとしてそれよりも低い「i-1」「i-2」くらいの素材を選ぶことがポイントです。その際、主として、
『外国語を話せるようになるしくみ シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム』より引用
①テキストの英文の理解のしやすさ
②モデル音声のスピード
という2つの要素があります。……素材選びでは、決して背伸びをしないこと、これが重要です。
自分のWPMを測る
WPMを測るための題材はTOEIC Part7です。
おすすめの教材はTOEIC特急シリーズの『TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編』で、理由はWPM表がすでに用意されているから。
手順は以下の通りです。
- 必ず「文書の意味が理解できるスピード」で読むこと
- 返り読みは絶対にNG。英語の語順で意味を理解しながら読む
- 設問は解かず、文書だけ読む
10,11ページのWPM換算表を使い、1分あたりに読めた語数を確認して12,13ページのグラフ(もしくはスプレッドシート など管理しやすいもの)に記入する
より正確にWPMを測るために、STEP1〜2は文書番号1から10まで実施してください。
全て終えたら、文書番号1から10までの平均WPMを算出し、それがあなたのWPMです。
- 文書番号1:WPM143
- 文書番号2:WPM146
- 文書番号3:WPM149
- 文書番号4:WPM156
- 文書番号5:WPM150
- 文書番号6:WPM154
- 文書番号7:WPM149
- 文書番号8:WPM158
- 文書番号9:WPM155
- 文書番号10:WPM161
例えば1から10までのWPMが上記の場合、平均WPMは
(143+146+149+156+150+154+149+158+155+161)÷10=152.1
自分のWPMよりも少しだけ遅いWPMの教材を探す
「自分のWPM−5〜10WPM」の教材を探しましょう。
TOEICの音声を使う場合は、以下の指標を参考にしてください。
公式問題集のパート3(平均WPM170)でシャドーイング学習したい場合
- あなたのWPMが120の場合
:音源の0.7倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが130の場合
:音源の0.75倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが140の場合
:音源の0.8倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが150の場合
:音源の0.85倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが160の場合
:音源の0.9倍速でシャドーイングする
公式問題集のパート4(平均WPM160)でシャドーイング学習したい場合
- あなたのWPMが120の場合
:音源の0.75倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが130の場合
:音源の0.8倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが140の場合
:音源の0.85倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが150の場合
:音源の0.9倍速でシャドーイングする - あなたのWPMが160の場合
:音源の0.95倍速でシャドーイングする
- 上記の指標はあくまでも参考程度に。各パートのWPMはあくまで平均で、音源ごとにスピード(WPM)は違います
- スピードが速すぎる or 遅すぎると思ったら倍速は適宜変えましょう
TOEIC以外の音声でシャドーイング したい場合は、音源のWPMを測る必要があります。
音源のWPMを測る方法
- 音源の単語数をカウントする
- 音源の長さを確認する
- 単語数÷音源の長さで、WPMを算出
※音源の長さを確認する際、間や沈黙は省いてください
たとえばTEDの『GRIT:The power of passion and perseverance』をシャドーイング音源としたい場合、最初の5秒〜28秒の間に60単語を発話しています。(下の画像では00:00〜00:24の間に文章が記載されていますが、実際は5秒〜28秒です)
なので、この時のWPMは60単語÷23秒✖️60秒=156WPMです。
あとは先ほどのTOEIC音声の時と同じように、あなたのWPMをもとに音源の倍速を調整しシャドーイングしてみましょう。
音声をスマホにダウンロードしシャドーイングする場合は、音声倍速ができるアプリ「Audipo」を使ってみてください。
シャドーイングに不安があるあなたへ
自分のレベルにあったシャドーイング教材の具体的な探し方を解説しました。
自分のWPMを把握し、学習に適切なWPMの音源を探すという定量指標に基づいた、誰もが実施できるやり方だと思います。
ただ『シャドーイングは意味ない?3つの間違いと失敗しないための対策を英語コーチが解説』でも述べているように、自己流シャドーイングだとどうしても学習効果が低くなってしまいます。
自己流シャドーイングを生んでしまう原因の1つが、自己添削のミス。
自己添削時に【自分の音声を添削しどこがあっているのか/間違っているのかを正しく認識できない】と、自己流のシャドーイングを続けてしまい結果として学習効果が全くありません。
正しい音は絶対に聴き取れる!自己添削で大丈夫!
と自信をもって言えるなら別ですが、通常は自己添削のハードルは相当高いです。
そこでおすすめなのが、シャドテンの1週間無料トライアル。
英語コーチングスクールのプログリットが提供しているシャドーイング添削サービスで、通常コースの中に含まれているシャドーイング添削だけを1日あたり700円弱〜で受けられる非常におすすめのサービスです。
1週間無料トライアルの後はすぐに解約しても料金が掛からないので、まずは無料でシャドーイング添削を英語のプロから受けてみると良いでしょう。
その後はそのまま続けても良いですし、自己添削のコツをつかめたら解約して自分で自己添削しても良いと思います。