リスニングプロセスと効果的な学習方法を知る|第二言語習得理論

この記事では、第二言語習得理論にもとづく、リスニングプロセスの説明と効果的なリスニング学習法法について詳しく解説しています。

英語学習をしていてよく見かけるのが、学習の目的を理解せずただやみくもに『良い』と噂される学習をする人。

だいたいすぐにモチベーションが下がって、違う学習方法を試したり英語学習をやめてしまっています。

ぺいさん

英語学習は毎日の継続が大事。そのためには、理論をしっかりと理解しよう

英語学習の全体像から知りたい方は、こちらの記事もあわせてお読みください。

あわせて読みたい
SLA(第二言語習得)理論に基づく英語学習のメカニズムを解説 この記事では、SLA(第二言語習得)理論に基づく英語学習のメカニズムを解説します。 【SLA(第二言語習得)理論とは】 SLAは「Second Language Acquisition」の略で、...

もしあなたが今、リスニング力が上がらず伸び悩んでいたり本気でリスニング力を伸ばしたいと思っているなら、【シャドテン】も学習候補のひとつにいれてみましょう。

【シャドテン】はビジネス英語のプロがあなたのシャドーイング音声を丁寧に添削してくれる、リスニング力向上に特化したサービスです。

  • 英語のプロがあなたの音声を添削
  • いつでもどこでも学習ができる
  • ビジネスに役立つ1000以上の教材を用意
目次

リスニングには2つのプロセスがある

第二言語習得理論によると、リスニングは大きく2つのプロセスから成り立っています。

音声知覚と意味理解です。

知識データベースとは、基礎学習の部分(単語や文法)を指します。

リスニングの大きな流れは、

  1. 音声知覚プロセスで知識データベースに問い合わせをして、単語を認識
  2. 意味理解プロセスでおなじく知識データベースに問い合わせをして、文章として意味を理解

となっており、下図の赤点線矢印が、それぞれのプロセスにおける脳内の動きを表しています。

つづいて、音声知覚プロセスと意味理解プロセスを詳しくみていきましょう。

1.音声知覚プロセス

音声知覚とは『聞こえてきた音がなんていう単語かを認識する』こと。

音が聞こえてきたら、まず知識データベースの単語データ(音)に問い合わせをします。

聞こえてきた音と自分が知っている単語の音がおなじだ(今のは〇〇という単語だ)と脳が認識できると、音声知覚ができるというわけです。

例.「ワラュドゥーィン?」と聞こえてきて「What are you doing?」と認識できる=音声知覚ができる

逆をいうと、そもそも知識データベースが充分でないと音声知覚はできませんし、聞こえてきた音と自分が知っている単語の音にズレがあっても音声知覚はできません。

2.意味理解プロセス

意味理解とは『認識した単語と英文法をふまえて、聞こえてきた文章の意味を理解する』こと。

意味理解プロセスでは、知識データベースの単語データ(意味)/文法データ/例文データに問い合わせをします。

単語の意味と文法を理解できると、意味理解ができます。

リスニングができる状態とは

ここまでの説明をふまえて『リスニングができる』状態を定義すると、音声知覚プロセスと意味理解プロセスをスムーズにおこなえる状態だといえます。

そのためにはまず、単語や文法の知識をしっかりとインプットできていることは必須。

その上で、音声知覚プロセスと意味理解プロセスを徹底して強化していく必要があります。

音声知覚、意味理解を無意識にできるのが理想

『リスニングができる状態』=音声知覚プロセスと意味理解プロセスをスムーズにおこなえる状態と定義しましたが、スムーズとはどの程度を指すのか。

結論からいうと、無意識で音声知覚と意味理解をおこなえるレベルです。

ぺいさん

たとえば音声知覚だったら「この音は…inevitableだな!」のように考えてしまっている状態は、無意識で行えているとは到底いえませんよね。

音声知覚と意味理解を無意識でおこなえると、「短期記憶」に頭を使うことができます。

短期記憶に頭を使えるようになると、リスニングをしているときに「あれ?単語は聞き取れたけど内容を忘れてしまった…」という状態を脱し、内容を理解し覚えていられます。

日本人が目指すべきは知識の「自動化」

無意識で音声知覚と意味理解をおこない、短期記憶に頭を使える状態を目指すために何をすべきか。

知識を自動化させましょう。

知識の自動化とは
:音声知覚プロセス、意味理解プロセスそれぞれで知識データベースに問い合わせをするとき、ほとんど考えず無意識に適切な単語データや文法データをひっぱってこれる状態

知識の自動化を達成することで、音声知覚と意味理解を無意識におこなえるようになります。

そもそも、日本人が英単語や英文法を「知っている」状態というのは、そのほとんどが「顕在記憶として知っている」レベル。

つまり、「知っているけど使えない/使うのに時間がかかる」英単語や英文法ということです。

意識したら活用できるかな、という程度なので、当然ながら音声知覚や意味理解を無意識におこなうことはできません。

無意識に活用できる潜在記憶レベルまで英単語や英文法を定着させることで、知識の自動化につながり、音声知覚と意味理解を無意識におこなえるようになります。

各プロセスを自動化する効果的な学習

リスニングができるようになるには、英単語や英文法知識を潜在記憶に定着させることが効果的だとわかりました。

ここからは、音声知覚プロセスと意味理解プロセスそれぞれにおいて、どのような学習をすれば知識を潜在記憶に定着できるのか解説していきます。

音声知覚プロセスを自動化する学習

音声知覚プロセスを自動化する学習は3つ。

オーバーラッピング/プロソディシャドーイング/リピーティングです。

それぞれの学習について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

意味理解プロセスを自動化する学習

意味理解プロセスを自動化する学習は4つ。

多読/コンテンツシャドーイング/レシテーション/多聴です。

それぞれの学習について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次