パート3、どうにかして点数をあげたい…!
その悩み、解決します。
この記事でわかること
- パート3の概要や知っておくべきポイント
- レベル別の学習方法と教材(スコア表の分析を基に解説)
パート3は会話問題。
2人もしくは3人の会話を聞いて、設問に答えます。先読みも重要なテクニックのひとつです。
先読みとは
:音声が流れる前に選択肢に目を通すこと。慣れてくると会話の流れをある程度想像できるようになる
参考:『TOEICパート3,4の先読みは必要?メリットや注意点、具体的な先読みのSTEPを英語コーチが解説』
この記事では、パート3で安定した点数をとるために知っておきたいポイントやレベル別の教材、そしておすすめの学習方法を詳しく解説していきます。
Part3の概要
問題形式 | 会話問題 |
問題数 | 39問(3問×13セット) |
選択肢 | 4つ |
解答時間/1問 | 約8〜10秒 |
解答の仕方 | 2人または3人の会話を聞き、その内容に関する3つの問題に答える。各問の選択肢は4つで、その中から最も適切なものを選ぶ。 |
特徴 | 問題文と選択肢のみが印刷されている。会話が流れた後に問題文のみが読み上げられる。選択肢と図表は自分で目を通す必要あり。 |
問題は以下の5パターンあります。
問題パターン | 設問例1 | 設問例2 |
---|---|---|
概要把握問題 | What are the speakers discussing? | Where does the man work? |
詳細把握問題 | What does the woman ask about? | What does the man want to do? |
次の行動問題 | What does the man offer to do? | What does the woman say she will do? |
話し手の意図問題 | Why does the man/woman say, “…”? | なし |
図表問題 | Look at the graphic. Where/Which/What/How…? | なし |
Part3を対策する|おさえたいポイント
パート3で高い点数をとるためにおさえておきたいポイントは以下の2つです。
- 会話のパターン
- 先読みテクニック
それぞれ詳しくみていきましょう。
会話のパターンを把握する
パート3の会話にはぜんぶで3つのパターンがあります。
会話パターン | 問題数 |
---|---|
2人の会話 | 9〜10音声 |
3人の会話 | 1〜2音声 |
図表つき会話 | 2〜3音声 |
合計 | 13音声 |
「2人の会話」に加え、「3人の会話」と「図表つき会話」があることでパート3の難易度があがっています。
これからそれぞれについて詳しく解説していきますが、Part3のスコアを伸ばすにあたり一貫して大事なことがあります。
それは、会話のストーリーを把握することです。
「2人の会話」を詳しく知る
「2人の会話」のストーリーの流れ
- 導入:会話の始まり
- 問題/要求:出来事の発生/相手への要求
- 提案:問題/要求への提案
- 意思決定:提案への意思決定
例題をもとにみていきましょう。
W: I love this jacket!(導入)/ Do you have another one just like it?
M: I’m afraid that’s the last one we have in medium. Is there something wrong with it?
W: There’s a small tear on the seam of the left sleeve.(問題)/ But I really like it a lot!
M: Well, if you buy the jacket as it is, then I can offer you a deal because of the tear. How does a 20% discount sound? (提案)
例題は「導入→問題→提案」でストーリーが展開しています。
「このジャケットが気に入った」と話しかけ、同じもので在庫がないかを聞いている
男性店員が「Mサイズは最後の1着ですが何か問題がありましたか?」と尋ねると、女性が「左の袖に小さなほつれがある」と指摘
そこで男性店員が「そのジャケットを買うなら20%オフにしますかいかがですか?」と提示している
このように、パート3の設問はストーリーに沿って出題されます。
導入は会話の始まりなので、問題/要求・提案・意思決定から1問ずつ問題が出ることを踏まえてPart3に臨みましょう。
「3人の会話」を詳しく知る
「3人の会話」のストーリーの流れ
- 導入:会話の始まり
- 問題/要求:出来事の発生/相手への要求
- 提案:問題/要求への提案
- 意思決定/返答:提案への意思決定/返答
「3人の会話」もストーリーの流れは「2人の会話」と同じです。
Tom, can I get pass you to the fridge?(導入)/ I need some milk. (問題1)
M1: Sure. Have you tried this tea? (提案1)
W: No, I’m not big on tea. I like the coffee they give us, though.(意思決定)
…中略…
W: No, there’s some here. Oops, I’m running late. (問題2)/Anil, I’ll stop by later to show you how to use the time entry system. (提案2)
「導入→問題1→提案1→意思決定→問題2→提案2」で展開しています。
ただし登場人物が増える分、混乱が生じることもあります。
そこでパート3では、以下の点に注意しながら聞き取りを行いましょう。
- 登場人物の区別
┗簡単な人名(Tomなど)が出てきたら覚える。「Have you met〜?」など関係を質問する文や「Let me introduce〜.」など人を紹介する文が出てきたら聞き逃さない。 - やり取りの順序
┗3人が交代で話すことは極めてまれ。ほとんどが3人のうち2人が主に話し、残りの1人が一言もしくは二言だけ喋る。
「図表つき会話」を詳しく知る
「図表つき会話」のストーリーの流れ
- 導入:会話の始まり
- 問題/要求:出来事の発生/相手への要求
- 提案:問題/要求への提案
- 意思決定:提案への意思決定
「図表つきの会話」では登場人物は必ず2人です。
W: Larry, we have a new graphic designer starting next month (導入)and will need to set her up with a laptop an extra monitor. Can you place orders for those?(要求)
…中略…
W: Right. well our budget per work area is $1,000 maximum so let’s order the system with the largest screen that falls within the price.(提案)
M: Okay. I’ll take a look at the prices again and price the order. (意思決定)
ストーリーの流れも「2人の会話」と同じく【導入→問題/要求→提案→意思決定】です。
先読みテクニックを身につける
Part3は会話の概要や詳細を問う問題から次の行動を推測する問題まで、幅広いパターンが出題されます。
TOEICアビメ中級レベルでL2,4が低い方は先読みテクニックを身につけましょう。
参考:『TOEICパート3,4の先読みは必要?メリットや注意点、具体的な先読みのSTEPを英語コーチが解説』
以上が、パート3を攻略するためにおさえておきたいポイントです。
Part3を対策する|おすすめの教材と勉強方法
ポイントをおさえられたので、次はおすすめの教材と学習方法について説明していきます。
TOEICスコア表のアビメをもとに初級〜中上級までレベルを分けているので、TOEIC公式テストを受けたことがある人は自分のアビメを手元においてこの先をお読みください。
STEP1:Part3の音声をディクテーションする(最大3回まで)
まずはPart3の音声をディクテーションします。
1題ずつ行っていきましょう。
パート4 ディクテーションのやり方
- 音声を最大3回繰り返し再生して書き取る
(音声は一文ごとに止めて書き取る) - 設問と選択肢を読み、解答する
- 選んだ選択肢が合っているか確認する
STEP2:英文スクリプトを見て確認する
答え合わせまで一通り終わったら、英文スクリプトを見て自分が書き取った英文に間違いがないか確認しましょう。
書き取りができなかった箇所は赤ペンや黄色マーカーなどの目立つ色で必ずチェックをし、視覚的に間違えた箇所がすぐに分かるようにします。
こうすることで次のSTEP3につなげやすく、上達していくにつれてチェック部分が改善されていくのでモチベーションも上がります。
また、書き取れなかったのがどのような英文なのかも確認しましょう。聞き取れない原因を
- 単語をそもそも知らなかった
- 単語は知っていたが発音と一致しなかった
- 音の変化(連結/消失/弱形/フラップなど)が分からなかった
の3つに分けることができます。
単語を知らない場合は単語帳で語彙力を強化、単語は知っていたけど発音と一致しなかった場合は発音トレーニング。
そして音の変化が分からない場合は必ず音の変化を習得しましょう。
STEP3:初級者(アビメ平均55未満)の場合
初級者の方はオーバーラッピングを行いましょう。
オーバーラッピングをすることで、単語がどのような発音なのかを知り、知識として蓄えられるので聞き取れる単語数が増えます。
参考:オーバーラッピングの効果とは?注意点もふまえた正しいやり方とおすすめの教材まで|英語コーチが徹底解説
教材は『初心者特急 パート3』を使いましょう。
初心者マークが少し気になりますが、誰しも0からのスタートです。
この一冊を完璧にすればリスニングスコア300点も見えてきます。
STEP3:L4が低い中級者(アビメ平均55以上75未満)の場合
L4が低い中級者の方は、長い会話のなかで詳細な情報を聞き取り覚えておく力が不足しています。
プロソディシャドーイングをしましょう。
シャドーイングの効果はいろいろとありますが、特にプロソディシャドーイングは『楽に聞き取りをし短期記憶への余裕をつくる』ことへの効果が最も大きいです。
参考:シャドーイングの効果や知っておきたい注意点。正しいやり方とおすすめの教材も|英語コーチが徹底解説
教材は『パート3・4特急 実力養成ドリル』がおすすめ。
この一冊すべてを完璧にシャドーイングできるようになるまでやり込みましょう。
STEP3:L2が低い中級者(アビメ平均55以上75未満)の場合
L2は、要点や文脈を推測する力がないと低くなります。
細部の聞き取りはできても概要をつかんだり会話の先を予測することが必要になるので、負荷の高い学習をしていきましょう。
やっていきたいのはコンテンツシャドーイングです。
リスニングには2つのプロセス『音声知覚』と『意味理解』があります。
長い会話を聞き取った上で覚えておくには、いかに楽に聞けて楽に理解でき『短期記憶』に頭を使えるかがポイントです。
コンテンツシャドーイングは【音声を聞いて意味を考えながら発音もする】学習なので、『音声知覚』と『意味理解』が鍛えられ短期記憶に頭を使う余裕が生まれます。
参考:シャドーイングの効果や知っておきたい注意点。正しいやり方とおすすめの教材も|英語コーチが徹底解説
教材は『究極のゼミ Part 3 & 4』をやりましょう。
解説が講義形式になっており、問題ごとに間違えやすいポイントを示しているなど非常に分かりやすいです。
STEP3:中上級者(アビメ平均75以上90未満)の場合
中上級者の方でまだまだスコアを上げたいという方は、コンテンツシャドーイングとリピーティングを行いましょう。
シャドーイングの後にリピーティングを行います。
リピーティングの最終目的は暗唱、つまり会話パターンを頭に入れて、本番で内容に即対応できる頭をつくることです。
参考:シャドーイングの効果や知っておきたい注意点。正しいやり方とおすすめの教材も|英語コーチが徹底解説
参考:リピーティングの効果・注意点から正しいやり方とおすすめの教材まで|英語コーチが徹底解説
教材は『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』を最低2冊はリピーティングまで終わらせましょう。